[特集]要注目企業・セギョンハイテク社。折り畳みスマホ時代の寵児

近頃、韓国のエレクトロニクス業界において、セギョンハイテク(SEGYUNG HITECH/세경하이테크)という企業が注目を浴びている。「フォルダブルフォン時代に最大の恩恵をうける企業」(韓国経済新聞)とまで評価されている。

サムスン肝いりのフォルダブルスマホに採用

理由は、最近サムスンが次世代のスマートフォンとして普及に力を入れるフォルダブルフォン(折り畳みスマホ)に、セギョン社が特殊保護フィルムを単独供給しているからだ。昨年発売された「ギャラクシーフォルド」、今月発表された「ギャラクシーZフリップ」の両方に採用された。

ギャラクシーフォルドにはCPI(透明PIフィルム)が、ZフリップにはUTG(超薄膜ガラス)がそれぞれカバーウインドウとして使用され、別の企業が供給したが、カバーウインドウを覆う特殊保護フィルムはいずれもセギョン社が単独供給した。韓国メディアによると、同フィルムの開発にはセギョンハイテク社のみが参加したといわれており、今年下半期に発売される予定の第2世代ギャラクシーフォルドにも同社が単独供給する可能性が高いとされる。

特殊保護フィルムは、フォルダブルフォンのウィンドウに貼り付けることで、ディスプレイの保護を強化するパーツである。また、カバーガラスは外部からの衝撃から保護するとともに、指紋の汚れを防ぎ、タッチ感を向上させる機能も備えている。

フォルダブルスマホは5年後1億台に

サムスン電子は今年、フォルダブルフォンを少なくとも450~500万台販売するという目標を立てているが、同モデルがスタンダードになれば、今後セギョン社の売上規模は大きく成長すると予想される。そのため、同社の注目度が上がっている。

市場調査会社ストラテジー・アナリティクス(SA)によると、フォルダブルフォン市場は昨年100万台出荷され、今年は800万台、2025年には1億台に拡大すると予想する。

中国企業からも引っ張りだこ

セギョン社はスマートフォン用の特殊フィルムの加工メーカーである。現在の主力製品はスマートフォンのデコフィルムだ。デコフィルムは、スマートフォンの素材であるガラスやプラスチックの表面に、テキストや色を塗る際に使用される。スマートフォン前後面にデコフィルムを入れることで、グラデーションやロゴなどを刻むことができる。ベゼル(枠)がない、ベゼルレスのスマートフォンが増えるにつれ、背面のデザインが差別化要因として浮上し、同フィルム市場も急成長しているという。

同社は当初、デコフィルムをサムスンのギャラクシーシリーズに供給していた。その後、中国のスマホ大手であるオッポ(OPPO)社もセギョンハイテク社のデコフィルムを採用。セギョン社のフィルムが使われた「オッポR15モデル」は、昨年中国で最高の人気モデルにもなった。オッポは今年、数千万台分のデコフィルムをセギョン社に発注するとみられている。

韓国メディア・ジイレックによると、セギョン社からオッポへの供給が増えるにつれ、サムスンも発注量を増やし、その過程でセギョン社の技術力の高さを認識。フォルダブルフォンの特殊保護フィルムの開発を任せたとみられている。

デコフィルムでブレイク 昨年は上場も果たす

そのような業績を背景に、同社は昨年、韓国コスダック市場に上場した。同社のイ・ヨンミン代表は、昨年のIPO投資説明会において、「デコフィルムはMDD工法のほか、パターン設計技術、一般的な印刷技術などを保有してこそ製造が可能である」とし「デコフィルムは、単純なアクセサリーではなく、メイン原材料」と述べた。また、中国シャオミやファーウェイにもデコフィルムを供給する予定であると明らかにしている。既にシャオミには供給を開始しているとみられる。韓国内ではサムスン以外にLG電子とも取引がある。

セギョン社は2006年に設立された。本社は韓国京畿道の水原(スウォン)にある。設立当時はモバイルフィルムが主力だったが、2014年以来、デコフィルムの研究開発(R&D)に力を入れ、昨年からの成果を出した。売上高は、2017年の1022億ウォン(約93憶円=現在レート)から2018年は2566億ウォン(約233憶円=現在レート)に急成長し、上場も果たした。

昨年の売上高は、前年比10.5%増の約2836億ウォン(約263憶円=現在レート)と推定されている。デコフィルムは、同社の売り上げの約半分を占めている。

保護フィルムは昨年5月に買い入れた水原(スウォン)の素材工場で作られている。昨年末に竣工したベトナム第2工場も保護フィルムを製造することができるとされる。

ハナ金融投資のイ・ジョンギ研究員は、セギョンハイテクの2020年の売上高と営業利益をそれぞれ4131億ウォン(約375憶円)、581億ウォン(約53憶円)と推定した。売上高の増加は、米中貿易紛争に係る光学フィルムの需要の増加と、デコフィルムに加え、グラスティックと特殊保護フィルムが追加されるためであると分析した。

NH投資証券のイ・ギュハ研究員は「今後、フォルダブル関連市場が急速に拡大すると予想される中、CPIとUTG関連の保護フィルムを独占供給できる技術競争力を考慮したとき、中長期成長の可視性が高い」と述べた。

フォルダブルフォンは、現在、サムスンと中国ファーウェイ、米モトローラが販売を開始しており、中国のシャオミやオッポ、ビボ(Vivo)なども参入を表明している。

セギョン社は日本にも支社を開設している。(目黒区)


執筆:イ・ダリョン=本誌編集長

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