韓国政府がAI半導体開発に1兆ウォン超、サムスンなど後押しか

韓国政府は17日、「人工知能(AI)国家戦略2030」を発表した。同戦略は、AI技術・産業の競争力強化を目指したものであり、2030年までにデジタル競争力で世界3位、AIを通じた経済効果で最大455兆ウォン(約43兆円)の創出などの目標を提示した。

この戦略の一環として記載されてたのが「AI半導体技術の確保」だ。次世代のインテリジェント半導体への投資に、2029年まで1兆96億ウォン(約970億円)を計上するという。新概念AI半導体である「インテリジェントメモリー半導体(PIM)」技術の開発への投資も含め、AI半導体分野でグローバル1位を目標にするという。

世界に目を向けると、NVIDIAやIntelといった半導体企業がAI半導体スタートアップを買収している。Intelは最近、イスラエルのAI半導体スタートアップ「ハバナ・ラボラトリーズ」を20億ドル(約2,193憶円)で買収したという。ハバナは2016年にイスラエルのテルアビブで創業した企業で、6月に「Gaudi」というAI訓練用プロセッサを発売し、それがNVIDIAのものより優れた性能を持つと注目されいた。NVIDIAは、今年3月、インテルに先立ち、イスラエルの半導体企業である「メラノックス」を69億ドル(約7,565憶円)で買収している。

半導体メーカーに加え、ITプラットフォーム企業もAIチップの開発に乗り出している。Googleはクラウドコンピューティングサーバ用のAIチップを独自に開発しており、アマゾンや中国の百度(バイドゥ)、アリババなども開発を推進中であると伝えられている。

AI半導体が代表的な次世代半導体分野で脚光を浴びる理由として、スマートホームやIoT、クラウドコンピューティングや量子コンピューティングなどがIT産業において重要テーマに浮上したためだ。膨大な量のデータを処理するためにAI半導体を搭載した情報処理装置の需要が急増し、毎年50%に近い成長率を示すと見通す。市場調査会社・アライドマーケットリサーチは報告書を通じて、グローバルAI半導体市場が昨年66億ドル(約7236憶円)規模で2025年912億ドル(約10兆円)規模に拡大すると予想した。

韓国国内では、サムスン電子とSKハイニックスがシステム半導体分野の育成に乗り出している。サムスン電子は今年4月、システム半導体分野で2030年までに世界1位を達成するため、133兆ウォン(約13兆円)投資を行い、1万5千人の専門人員を雇用すると発表した。韓国ニューデイリー経済紙は、サムスンもインテルやNVIDIAのように、有望な技術を保有するAI半導体スタートアップを買収、あるいは株式投資を通じて事業協力に乗り出す可能性も十分にあるとの見方を示している。サムスン電子とSKハイニックスは今年、メモリー半導体市場の低迷にもかかわらず、半導体技術スタートアップやAI、量子コンピューティング企業などに複数回の株式投資を行っている。



コリア・エレクトロニクス

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